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ニッポン人の心と体を救う!
★短縮版メルマガ「暮しの赤信号」★
2019年02月08日(金)号
No.3347
毎回、まぐまぐ!、メルマ、EMの合計、約7000部発行
創刊日は2004/10/5。毎日早朝5:00に配信(日曜は休刊)
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『脱コンビニ食!』(平凡社新書)や『危険な食品』(宝島社
新書)などの著者で、食生態学者、そして日本危機管理学会
員でもある山田博士(ひろし)が配信。食べものだけでなく、
人としての生きかたを考えます。なんともユーモラスな文体
が人気のようで……。
〜本日は、「完全版」と「短縮版」の内容を同じにしました〜
いつも「短縮版」をご覧のかたには、少々、長くて申しわ
けありませんが、ぜひ「楽しく」ご覧下さい(笑)~
やあ、こんにちは。
山田博士(ひろし)です。
お元気でしたか!
今日もまたお逢いしましたね。
嬉しいです。
地球という星を平和にしたい。
そして子どもたちの頬(ほほ)に流れる涙をストップさせ
たい。
空にのんびりと流れる雲を眺めながら、ぼくはいつも
その方法を考えています。
そのために、「食べもの」が人を180度変え、家族を変え、
文明を変え、歴史を変えてきた重い事実を、知ってほしい。
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▼目次▼
〜本日は、「完全版」と「短縮版」の内容を同じにしました〜
【1】読者への「おとぼけ返信!」
(毎週、この欄は「金曜日」に掲載しています。読者から
の声をダシにして、山田の思いをお話ししています(笑)。
毎回、どうぞお楽しみに!:
■No.1593
いちごの残留農薬のことは、びっくりしました……
(N.Yさん、大阪市、男性、60歳、医師)
【2】山田の作品群については、本文中で述べている「専用
ブログ」をご覧下さい。
頁の右側に、ズラリと並んでおります。
ご関心のあるものから、お選び下さい。
すべて楽しくて、分かりやすい文体です。
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【1】
▼読者への「おとぼけ返信」▼
この欄は、毎週「金曜日」に掲載します。お楽しみに!
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注:個人のお名前はイニシャルにし、個人情報などは割
愛しました。
誤字脱字の訂正や、分かりにくい文章はいくつか
に分けたり、短縮したりしていますが、送り仮名や
漢字、文体などは基本的にそのままですので、全体
での統一はわざとしておりません。
そのため、読者の体温をそのままお楽しみ下さい。
年齢やご職業などは連絡を受けた当時のものです。
【イニシャルは、姓と名の順です】
(例)美空ひばり→M.H
……………………………………………………………………
■No.1593
いちごの残留農薬のことは、びっくりしました……
……………………………………………………………………
(N.Yさん、大阪市、男性、60歳、医師)
いちごの残留農薬のことは、びっくりしました。
国産だからと、安心していました。
以来、イチゴは殆ど食べておりません。
ありがとうございました。
■山田からのお返事■
Nさん、こんにちは。
山田博士です。
いつも、メルマガをご覧いただき、嬉しく思っています。
まあ、いまごろは、どこでもそうなのでしょうが、大阪の町
もきっと、春近し……なんでしょうね(笑)。
早く、「社会的にも」「季節的にも」……本当の「春」が訪
れてくれることを、心から願っています。
ところで、仰せのイチゴの件。
そうですね。
ぼくは、20代の「あの日」から、一度もイチゴは口にして
いません。
息子にも小さいときに話したため、きっといまも、そのよう
な気持ちでいるだろうなと思っています。
★★★
「あの日」というのは、当時、農林省(いまの農水省)の役
人に、このイチゴの残留農薬について取材したときです。
そのときに、役人の彼の口から漏(も)れた言葉は、衝撃で
した。
なにしろ、彼らは、「イチゴは自分の家族には食べさせてい
ない」……と、言い切ったわけですからね。
農林省の役人がそんなことを言うなんて、信じられますか。
その話を聞いて、ただ口をポカ~ンと開けている当時のぼく
の顔を、どうぞ、想像して笑って下さい。
考えてみれば、このイチゴは、食べるとき、皮を剥(む)い
たりしませんよね。
しかも、あの「イチゴ」には、ツブツブの種が一杯あり、そ
の種のくぼみに農薬が溜(た)まりやすい。
そして、洗うと傷(いた)みが早いため、鮮度を落とさない
ためにも「洗わないでそのまま使用されている」……という
裏事情もあります(あくまで裏事情です。笑)。
だから、ザッと水洗いだけで口に放り込んでしまいます。
★★★
それだけ、ほかの食べものより、農薬の害が体にストレート
に入り込むわけです。
イチゴは、ほかの野菜などとは、「大いに」事情が異なって
いるわけですね。
そのような農薬を、どうして日本では許可しているのか。
当時、ぼくは、不思議でなりませんでした。
そしていま。
当時と事態はまったく変わっていません。
いや、それどころか、さらに新しく、より深刻な影響のある
農薬が身近に出現しているわけですね。
国産イチゴに使われるある農薬については、隣の台湾で使わ
れているその農薬量の、なんと「200倍」……でした。
★★★
こんなことでは、台湾に輸入された日本の農産物が破棄され
るのも、道理じゃありませんか。
台湾の人たちの身にもなって下さい。
せっかく、農薬について、強い規制をしているにもかかわら
ず、隣の日本から、もの凄い残留農薬のある農産物が輸入さ
れてくる。
日本に文句の一つも、言いたくなりますよね(笑)。
日本の国産農産物の「安全神話」は、いったい、なぜ崩壊し
てしまったのでしょう。
汚染にまみれた「中国産の農産物」ばかりに目を奪われ、そ
の逆に、日本国産だったら安全だと、ぼくたちは「勝手に」
思いこんでいただけなんですね。
★★★
じつは、日本の農薬使用量は、世界でトップレベルです……。
つい先日にも、この欄で述べたのですが、再度、外国とちょ
っと比べた数値を述べてみましょうか。
もう驚きます。
いま問題視されている、ある種の「ネオニコチノイド系農薬」
は、たとえば「リンゴ」に対する日本の使用基準は、アメリ
カに比べて2倍もあります。
つまり、皆さんがアメリカのほうが大量に農薬を撒(ま)い
ているはずと勝手に想像されているのとは裏腹に、日本のほ
うが2倍も多い。
★★★
こんなこと、ご存じでしたか。
EU(欧州共同体)と比べても、約2.5倍。
茶葉の場合はEUより……えっと……約300倍の基準値に
なっております。
3倍じゃありません。
300倍です……(笑)。
けっして、ここは笑うべき場所ではないのですが、ぼくなど、
笑いながら、涙をこぼしてしまっています。
呆(あき)れて。
悔(くや)しくて。
悲しくて。
★★★
現在、日本でよく使われている農薬は、下記の3種なんです。
つまり、「グリホサート系」、「ネオニコチノイド系」、「有機
リン系」の3種類。
この「グリホサート系」は、草が育つのに必要なアミノ酸生
成を止めてしまって、枯らせる農薬。
2015年の3月、世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研
究機関(IARC)が、世界中で広く使われている除草剤「グリ
ホサート」(商品名ラウンドアップ)を、発ガン性評価基準の
グループ2A(人に対しておそらく発ガン性がある)と発表し
ています。
これは、言わずもがな、「遺組み」(遺伝子組み換え)の農産
物に使われる除草剤ですよね。
もちろん……あのモンサント社の製品。
★★★
そして、「ネオニコチノイド系」は、それを食べた虫の脳に
作用して神経を興奮させて、虫を殺す農薬。
また「有機リン系」は、神経系や呼吸器系に作用して虫を殺
す農薬。
これらの3種類が、いまの日本では多く使われているのです
が、中でも、いま一番注目を浴びているのが、ご存じの「ネ
オニコチノイド系農薬」なんですね。
これらが、日本の国産農産物に、ジャブジャブ使われている
……。
もう、想像以上です。
上記でも述べたEU諸国は、この「ネオニコチノイド系農
薬」を、「予防原則」に基づいて、かなり早期から、ハチへ
などのリスクを考えて取り組んできました。
日本とは、その点で、かなり異なっています。
なぜ日本では、こういう取り組みがいつも後手後手なのでし
ょうか。
★★★
愚(おろ)かなぼくの頭では、何度考えても分かりません。
これだけ(ぼく以外は)優秀な人たちがいる日本なのに、な
ぜなのか。
なぜなのでしょう。
後日、近日中に、食べものだけじゃなく、環境や安全性も含
めたこのあたりの論題を、まとめるつもりです。
どうぞ、楽しみになさって下さい。
欧州ではこの数年、花粉媒介(かふんばいかい)昆虫である
このミツバチが受けている甚大な被害に、大きな関心を呼ん
でいました。
関心というより、「危機感」を感じていたようですね。
とくに「養蜂(ようほう)業者」や環境保護団体たちが中心
になって運動してきたようです。
そして、とくにこの「ネオニコチノイド系農薬」の使用禁止
を、強く求めてきたんです。
さまざまな研究結果や調査結果やモニタリングなどを基(も
と)にして、ミツバチたちへの農薬からの曝露(ばくろ)、
花粉や花密からの曝露、そして、植物たちが葉っぱなどから
出す水滴からの曝露……などが、研究されました。
ちなみに、曝露とは……化学物質などに生体がさらされるこ
と……を言います(笑)。
★★★
何かを「明らか」にするという意味のときの漢字は、「暴露」
のほう……です(笑)。
これらの3つの経路によって、ミツバチに致死的な影響を与
えることが分かり、ミツバチの好む作物への使用を、2年ほ
ど一時禁止しようじゃないの……と、なったわけです。
一時使用禁止……と言っても、どこかの国のように業者の圧
力からそのように言っているのではなくて、その後、様子を
見て、再度、いい意味で検討して行こう、というものなんで
すね。
じつは、このような規制は、すでにフランスで2004年に
実施されていました。
でも今回は、EU加盟の27カ国でいっせいに行われること
になりました。
それほど、欧州の人たちは、緊迫した事態だったのでしょう。
ひるがえって日本。
★★★
もうかなり昔から、働き蜂が巣に戻って来ないという報告や
女王蜂が産卵しなくなったなどの現象が起こっていました。
きっと、皆さんも、マスコミなどでご存じだと思います。
でも、その場合は、農薬の影響のない場所へ巣箱を避難させ
るなどの対策しか……してこなかったわけです(笑)。
これじゃ、根本解決にはなりません。
もう、まったく笑ってしまいますよね。
ちょっと商品名を挙げますと、日本では、これら昆虫への神
経毒性のある農薬として、「有機リン系農薬」としては、商
品名「スミチオン」、「スミバイン」など。
そして、「カーバメート系農薬」としては、商品名「ラン
ネート」など。
また、この「ネオニコチノイド系農薬」としては、商品名
「ダントツ」、「アドマイヤー」など……があります。
★★★
そうそう、ついでですからこの「ネオニコチノイド系農薬」
についての「映画」について、少しだけ述べておくことにし
ます。
日本では初公開なんですが、2016年12月18日に、東
京の武蔵大学で上映されました。
なんと7本一挙上映され、そのうちの一つなんですね。
どれもみな、健康や自然や環境を考えている人にとっては、
垂涎(すいぜん)の内容です。
映画のタイトルは、『狂った蜂』。
監督は、郷有人さん。
台湾の映画会社が制作したものです。
その「予告編」を、下記でお知らせしようと思ったのです
が、2018年10月から、YouTubeは、関連動画の非表示
を出来なくしてしまいました。
そのため、ご自身で、上記の予告編を検索してみて下さい。
すぐ見つかると思います。
★『狂った蜂』予告編
(上記は、台湾人の監督が作ったため、字幕は中国語になっ
ています。でも、日本語の翻訳もあります。
すでにこの映画は終了しています)
★★★
どうです、なんとも、凄(すご)いものでしょ。
日本では、冒頭で述べたような「イチゴ」だけの問題じゃな
く、農産物全般について、農薬使用の過多がいま、問題にな
っています。
ふだん、ぼくたちがスーパーなどで購入している野菜や果物
が、1年簡にどれだけの回数の農薬が使用されているのか。
ある地方での農薬使用状況などは、ぼくがこの問題をまとめ
た、下記の「社会の裏側!」100巻にまとめておきました。
ご関心のあるかたで、まだご覧になっていないかたは、どう
ぞ、ご覧下さい。
★「社会の裏側!」100→ https://bit.ly/2QALbTK
これだけ欧州で問題になっているのに、業界からの圧力でも
あったのでしょうか。
日本の政府の動きには、本当に驚いてしまいます。
Nさん、どうぞ、今後とも、メルマガをお楽しみ下さい。
お元気でね。
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【2】
▼山田の作品のご案内▼
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山田の作品群については、下記の「専用ブログ」
をご覧下さい。
頁の「右側」に、ズラリ並んでおります(笑)。
ご関心のあるものから、どうぞご覧下さい。
すべて楽しい文体で、子どもさんでも読めるように、
難しい漢字にはルビを打ち、また難しい言葉には、
すべて「詳しく説明する」ようにしています。
子どもも学者も、いっしょに読める作品です(笑)。
あなたと、あなたのご家族の皆さんのお役に立
つことを心から願っております。
「メルマガ専用ブログ」→ https://inochimamorutameni.hateblo.jp/
★★★
★★★
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1.毎回、メルマガ「暮しの赤信号」の100%が読めます。
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でも手に入ります。これは貴重です!
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